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第十二回目:厄除けの木「ヒイラギ」

 

 今回は、厄除けの木とされている「ヒイラギ」について紹介します。人氣小説『ハリー・ポッター』シリーズで、主人公のハリーが最初に使用する魔法の杖は、ヒイラギの木が使われて作られた杖です。そのような意味でも「ヒイラギ」は大変興味深い木ですね。

 

1.厄除けの木

厄除けの木

 先日、厄除けの祈祷をして頂こうと荘内神社に出掛けました。実は、この神社の参道を歩いた鳥居の先には「ヒイラギ」の木があります。この神社の神木です。約10年前に神社に植栽されたものです。今の季節は、雪で覆われていますが、ヒイラギの木は、秋口になると白い花を咲かせます。そして、金木犀に似た柔らかな香りがします。 私達は、「ヒイラギ」というと、節分の季節に鬼を退治する木として思い浮かべることが多いですね。ヒイラギの木は、私達の身近な生活の中にある「厄除け」の木です。 写真は、山形県鶴岡市にある荘内神社のヒイラギの木です。手前に石の鳥居があります。鳥居を間に挟んで、両隣にヒイラギの木が植えられています。木の下部分は若木のヒイラギの枝が葉と共に育っていました。若木のヒイラギは、私達が節分の時に目にするトゲのある葉の形をしています。神社の方とお話をした際に、樹齢を重ねるにつれて、トゲのある葉の部分が丸くなり、それが「厄を落とす」ということに通じるということをお聴きしました。ヒイラギの木が厄除けの木とされている理由の一つになります。

 

2.厄年について

 私達は「厄年」という言葉を耳にするだけで、良い印象を持つことは少ないと思います。日本の風習として、厄年の年齢は、体のこと精神的なことで変化が起こりやすい年とされています。今回こちらの神社で本厄年とされていたのは、男性は、数え年(今年迎える年齢に一加えた年齢)の二十五歳、三三歳、四二歳、四九歳。女性は、同じく数え年の一九歳、三三歳、四二歳、四九歳となっていました。本厄年を迎える前後一年ずつの計三年を一般には「厄年」としています。私自身、前厄に該当する年を迎えたので、神社で祈祷して頂きました。旧暦の松の内(一月一日から一月七日)を過ぎた頃に行きました。ほんのわずかな時間でしたが、玉串を奉納し静粛な氣持ちで神殿を後にしました。実は今回、女性の祈祷師の方と共に厄除けの儀式に参加しました。男性の祈祷師が多い中、貴重な経験でした。古来から「シャーマン」と呼ばれる祈祷師の方は、女性が多いです。世界の歴史、日本の歴史、そして東北の民俗文化を考えた時にも、「シャーマン」と呼ばれるのは男性よりも女性の方が多いとされています。日本では、五月になると、早乙女と呼ばれる若い女性が田んぼに入り、その年の豊作を願う儀式が行われます。七夕に天に捧げる機織りを行うのも棚機女と呼ばれる女性です。結婚式で、女性が白無垢や白いドレスを着るのも、本来は白い服が神をまつる意味があることからでした。そのような意味でも、古来女性は、儀式を行う際に重要な役割を担っていたと考えられます。

 

①トゲが丸くなったヒイラギの葉  

②ヒイラギの厄除けのお守り 

①トゲが丸くなったヒイラギの葉  ②ヒイラギの厄除けのお守り
   

 

 厄年の捉え方は、良くも悪くも捉えることが出来ます。厄年を迎えるということは、年齢と共に体の変化、環境の変化が起こりやすいということ。厄年は、今まで行ってきたことの結果が出やすい時期ともされています。厄年の期間は、例年以上に、体を大事にして人との調和を心がけるようにしたいものですね。

 

3.身近な年中行事の「ヒイラギ」

 最後に、私達の身近な年中行事にある節分の「ヒイラギ」です。年に四回ある節分(立春・立夏・立秋・立冬の前日)の最初の節分が二月になります。旧暦の頃は、立春正月とも呼ばれていました。いわゆる大晦日です。大晦日にはお祓いをして新しい年・季節を迎える風習が日本にはありました。節分の中でも二月の節分が現在に受け継がれるのも、旧暦からの名残です。節分のヒイラギは、家に鬼(魔)を寄せ付けないための厄除けの道具として使われていました。トゲのある葉が鬼の目に刺さり、イワシの臭いと共に鬼を祓う意味が受け継がれています。これからも未来に繋いでいきたい文化ですね。

 

③節分のヒイラギ   

④玄関の節分飾り・鰯とヒイラギ 

③節分のヒイラギ  ②ヒイラギの厄除けのお守り
   

 

 

 

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塩田 紀久代 (しおひめ)


 *和文化おもてなし研究所 代表
 *伝統文化むすび使・和文化おもてなしコーディネーター

 

1974年 山形県・鶴岡市出身。
幼い頃より父の影響を受けて、山村の年中行事に親しむ。
2006年 母の病気・他界を機に、約12年携わった
ショービジネスのマネージャー業からホテル・旅館業に天職する。
旅館の新規開業・再生事業を行う、おもてなし部署に所属する。
箱根・強羅温泉、静岡・修善寺温泉にて旅館業全般に携わる。
帰郷後、ホテルに入社。マネージャー職となる。
半年後には、ホテルが「ハイクラスの宿」となる。

 

和の文化を通して人と地域をむすび 社会にたくさんの笑顔をつくることを理念に
2012年10月「和文化おもてなし研究所」(商標登録)を開設。
子どもの着付け、女性のしぐさ。季節の年中行事を通して、
暮らしに生きるおもてなしの提案を行っている。
受け継がれた和の文化とおもてなしの心を未来につなぐ活動として
「見返り美人になって和のおもてなしを学ぼう」講座を開講。

 

2013年10月公開予定 映画「おしん」の制作に所作指導として映画撮影に携わる。

 

 

ホームページ http://wabunka-omotenashi.jimdo.com/

映画「おしん」公式サイト http://pr.livedoor.com/movie/oshin/