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しおひめの「和文化おもてなし」~人と文化がつながる時間~

 

第三回目「ふるさとの味 笹巻き」

 

 今回ご紹介するのは、山形県鶴岡市のふるさとの味「笹巻き」です。毎年、五月に入ると、笹の葉で包まれた三角の形をした餅が、農家さんの直売所に並びます。笹巻きは地元でも人氣で、午前中に買いに行かないと売り切れてしまう程です。地元で作られた旬の食べ物を取ることが、体には一番の良薬です。ふるさとの食は体が喜びます。

 私の住んでいる庄内地方では、粽というと「笹巻き」のことを言います。「笹巻き」は、主に山形県庄内地方で、五月五日に行われる端午の節句の行事食です。京都や東京などの他県では、粽というと細長い、鉄砲の形をしたお餅がお店に並んでいます。庄内の粽(笹巻き)は三角の山形をしています。どの家庭でも、この時期になると食卓に並んでいます。私も小さな頃、お茶に来ていた近所のおばあちゃんと笹巻き作りをした思い出が蘇ります。水と木灰を熱して灰汁を作って、その中にもち米を入れて一晩寝かせてから作ります。

 私の小さな手に、おばあちゃんのしわしわで温かい手を重ねて、一緒に笹巻き作りをしていました。

 

 

 

 

 

 

 笹巻きは、灰汁にもち米を浸したものを笹で巻いて煮たものです。巻いている井草の紐を解くと、黄色いお餅が登場します。灰汁を使うともち米が黄色に色づきます。

 鶴岡は黄色の笹巻きです。県内でも灰汁を使わずに笹巻きを作る白い笹巻きの地域もあります。笹巻きに、きな粉と黒蜜をたっぷりとかけていただきます。至福の時なのよね。

鶴岡公園

 五月人形に、笹巻きを供える時には、子孫繁栄を願い笹巻きと柏餅を一緒にお供えしています。笹巻きは三角の形から男性を表し、柏餅はお餅の中に餡子が入っています。お餅と餡が、お腹の中に子どもを身ごもる形の見立てになっています。女性を表します。

  柏餅と笹巻きを一緒に供えることで、世代を繋いでいく願いが和菓子に込められています。  

山形県酒田市「山王くらぶ」にて

 毎年、笹巻きの美味しい季節がやって来る頃には、ゴールデンウィークの大型連休に入ります。お盆とお正月に続いて家族や親戚が集まる時期になっています。久しぶりに顔を合わせて会話をすることで、家族の絆が生まれていると感じています。我が家の隣に大きなお寺さんがあるのですが、五月五日になると家族連れでお墓参りに来られる方が多いです。先祖と私達。生きている場所、住んでいる場所は違っていても、家族や親戚が集まることを求めるのは、今も昔も変わらない日本の姿です。

 五月五日の「五」の数字。小さな頃からとても好きな数字です。落書をしていた時には、必ず自分の名前の周りに晴明神社のシンボルマークの星(五芒星)を書いていました。 小中学生の頃は五芒星のことは何も知らなかったですね。大人になった今でも、台本や打ち合わせ資料等に名前を書く時、心の緊張をほぐす為に名前の隣に星や冠のマークを書くことがあります。私は、緊張している時やリラックスしたい時に星を書いていると、氣持ちが落ち着つきます。「五」は、表・裏・表・裏・表など再生の数字とも伝えられています。

  一から九まで数字の中で、中心にある数字が「五」です。数字の「五」を中心にして「一から四」「六から九」の両方を観ることが出来ます。私は、物事を判断する時、対極にある世界の両方を観る方法として「五」の考え方を取り入れています。物事のプラスの面とマイナスの面を観るようにしています。対極を知ってお互いの要素を生かすことを大事にしています。五月五日の古来の意味は、季節の一つの節目の日です。悪い氣が入りやすくなる頃に、災厄を祓う日です。神事の一つでもある田植えが始まる時期です。菖蒲湯に入り身を清めてこれからの田植え作業に備えます。身を清めること。身の周りをきれいにするにも良い時期ですね。新緑が茂る季節。どうぞ皆さま、心地よいお時間をお過ごし下さい。 

 

 

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塩田 紀久代 (しおひめ)


*和文化おもてなし研究所 代表
*伝統文化むすび使・和文化おもてなしコーディネーター

 

1974年 山形県・鶴岡市出身。
幼い頃より父の影響を受けて、山村の年中行事に親しむ。
2006年 母の病気・他界を機に、約12年携わった
ショービジネスのマネージャー業からホテル・旅館業に天職する。
旅館の新規開業・再生事業を行う、おもてなし部署に所属する。
箱根・強羅温泉、静岡・修善寺温泉にて旅館業全般に携わる。
帰郷後、ホテルに入社。マネージャー職となる。
半年後には、ホテルが「ハイクラスの宿」となる。

 

和の文化を通して人と地域をむすび 社会にたくさんの笑顔をつくることを理念に
2012年10月「和文化おもてなし研究所」(商標登録)を開設。
子どもの着付け、女性のしぐさ。季節の年中行事を通して、
暮らしに生きるおもてなしの提案を行っている。
受け継がれた和の文化とおもてなしの心を未来につなぐ活動として
「見返り美人になって和のおもてなしを学ぼう」講座を開講。

 

2013年10月公開予定 映画「おしん」の制作に所作指導として映画撮影に携わる。

 

 

ホームページ http://wabunka-omotenashi.jimdo.com/

映画「おしん」公式サイト http://pr.livedoor.com/movie/oshin/