ハーバルアストロロジー

こちらのコーナーでは毎月一回アロマテラピーとハーブに関した内容を「ハーバルアストロロジー」として占星術の視点から今月のエッセンシャルオイルやハーブをご紹介していくコーナーです。

担当していただく先生はアロマセラピーサロン＜Naturalis＞主宰　岸　延江先生です。

先生の植物や占星術に対して幅広い知識をこちらでご紹介させて頂きます。

☆Asteridea☆　ハーバルアストロロジー【第12回】　 ☆ 魚座＊Pisces

岸延江（アロマセラピーサロン＜Naturalis＞主宰）

　占星術が教えてくれること。

　その根底にはバビロニア発生の古代思想で構成されているといっても過言ではないでしょう。いわば＜生きるための知恵＞がちりばめられているのです。占星術というと＜占い＞の要素が色濃くなりますが、その根底には人が人としてどう生きるべきか等の道徳心も垣間見えるのにお気づきでしょう。そしてそれは人類が集合体の中で生きるために必要な規律でありマナーのようなものではないかと思います。

　東洋の思想にもみられる陰陽の発想、それは物事には裏と表、男性的と女性的などの性質に表されるような、相反するものが作用して一つのものを形成するという事、それは表裏一体となって表現され森羅万象を表します。また、季節の移り変わりのように３区分（活動宮・不動宮・柔軟宮）を表現し、物事は４つのエレメントである火・地・風・水によって構成されているとして表現し、その配分を上手に１２サインに配し、各サインに支配星を司らせた古代人に敬意を表さずにはいられません。

　魚座は牡羊座から数えて12番目のサイン（星座）になります。2要素の陰、3区分の柔軟宮、4元素の水、支配星は木星と海王星が司ります。医療占星術がメインだった時代は、支配星は木星だけであり、木星が対応するハーブが治療薬として用いられました。

　古代人の叡智は常にバランスをとるという事を提唱しています。良くも悪くも効きすぎる現代の医薬や医療は振り子のように大きな副作用を生み出します。化学が進歩した現在に生きる私たちは、この恩恵をすべて排除する必要はないと思いますが、自分にとって良いところは取り入れるなど、幸いなことに私達には多くの選択肢を与えられています。かたくなになるということの危険。柔軟な考えとスタンスを持つことが、＜魂の成長＞を願う占星術のコンセプトに繋がっていくのではないでしょうか。

　占星術のチャートの読み方には、いろいろなアプローチの仕方がありますが、医療占星術をベースとするハーバルアストロロジーに特に重要なのは、アセンダントがどのサインにあり、そのサインの支配星の様子はどうか、月がどのサインにありどのような状況になっているかがポイントになります。ここが出生図のチャートと少し違うところでしょう。しかし、この技法を知らなくても心身のバランスさえ取れていれば、その時にふさわしいハーブを選び摂取することが容易になります。私たちは知らず知らずのうちに必要なハーブを無意識のうちに取り入れ、何が必要かを気づく力を持っています。心身のバランスさえ取れていれば、きちんと取り入れることが出来るのです。しかしストレスフルな毎日を送る私たちは、バランスを崩しやすい状況下にあります。その時は是非、自分の心や体の声を聴くように心がけて下さい。それだけでも多くの情報を得られます。学び実践することは裏付けをとるということかもしれませんが、すぐに応用したい時には信頼のできる有識者に聞くことも一案でしょう。

　今、占星術の重要な天体である＜太陽＞は＜魚座＞を運行しています。一般的に魚座のキーワードは超越・ロマンチックなどの言葉が当てはめられますが、次に控える牡羊座のスタートの準備をする時期でもあるのです。ちょうどニュートラルでボーダレスな状態。人の魂は成長すると言われます。ちょうど今、私たちはその中にいるのです。

　魚座の対応する身体部位は、足首や足裏に対応します。足は体全体を支える重要な身体部位であり、足裏にはリフレクソロジーに代表されるように体中の反射区が集まっている場所で、足裏のそれぞれの部位は体の特定部位を支配し刺激します。

　魚座の対応するハーブや精油は、ジャスミン、メリッサ、リンデンなど、太陽に向かって枝や葉を伸ばし、芳香の素晴らしいものが多いのが特徴でしょう。

　魚座的な要素が欠如していると感じた時は魚座の対応するハーブや精油を使い、魚座的なものが過度に出ている時には魚座の対向サインの乙女座が対応する水星の支配下のラヴェンダーやマージョラムを取り入れるとよいでしょう。

　このように、何かトラブルがあった時、ちょっとバランスを崩し気味になった時には、対向するサイン（星座）のハーブを利用するよう示唆してくれます。

オススメアロマ

ジャスミン、メリッサとも他の精油とブレンドせずキャリアオイルとの単品の使用でも素敵な香りや効果を堪能することが出来ますが、ブレンドのサンプルも明記します。

マッサージオイルとして使用する時は必ずキャリアオイル（３０ｍｌ）で希釈してください。スプレーとして使用する時にはやはり３０ｍｌの無水エタノールやウォッカで希釈してください。以下は約２％～３％での表記です。お肌の弱い人はもう少し低めの希釈でもよいでしょう。
（ブレンドの詳細は前項を参考にしてください）

＠気持ちを晴れ晴れしたい時
　ジャスミン2滴　　スィートオレンジ2滴　　フランキンセンス1滴

＠気持ちをリセットし、クリアにしたい時
　ジャスミン2滴　　ローズオットー　1滴
　メリッサ1滴　　　マンダリン　　　3滴（メリッサは抗アレルギー作用もあります。）

　精油ではないのですが、メリッサにはアクア・ディ・メリッサ（Aqua di Melissa）と呼ばれる＜メリッサ水＞があります。水とついていますが、アルコールで抽出したメリッサのテインクチャー（抽出液）で、就寝前にティースプーン1杯をお湯に入れて飲用すると良い睡眠が得られるなど、鎮静する作用を促進させる働きがあります。日本では薬事法に関連して輸入は認められていないようですが、ヨーロッパの修道院や伝統的な薬局では一般的に販売されていますので、旅行された折に試されて良いかもしれません。

　丁度、魚座に太陽が運行する時期は大地のエネルギーが強くなりはじめます。地域差はありますが木々の芽がほころび始めるのもこの頃です。そのエネルギーは生み出すという絶大なパワーがあります。そのパワーに負けないよう、逆に自分から力を抜いてみることも大切でしょう。その時、ジャスミンやメリッサなどがサポートしてくれることでしょう。

岸延江プロフィール

IFA認定アロマセラピスト、英国占星術協会会員薫物屋香楽認定香司

都内にてアロマセラピーサロン＜Naturalis＞主宰

著書＜星が導き出すハーバルアストロロジー＞

HP　アロマセラピーサロン＜Naturalis＞　http://www.naturalis.jp/